コラム

運動生理学

ピッチでもない、ストライドでもない──速さを生み出す「バネ」の正体

中距離・長距離ランニングにおける「速さ」の本質とはどこあるのでしょうか。多くのランナーは、スピードを高める要因として「ピッチ(脚回転数)を上げる」ことや「ストライド(歩幅)を広げる」ことを第一に想起します。しかし、バイオメカニクスの厳密な測...
パフォーマンス

なぜマラソンは30kmから急に走れなくなるのか?──「30kmの壁(HTW)」の正体とDurabilityの科学

序章:何度走っても、あの場所で私たちは壊れるマラソンを走ったことがある方なら、誰もが一度はあの言いようのない過酷な経験をしているのではないでしょうか。スタート直後から中間点あたりまでは、呼吸も穏やかに落ち着いていて、予定通りのペースで軽やか...
パフォーマンス

ふくらはぎは細いほど速い――そう信じていた私が、下腿トレーニングを見直した理由

私はこれまで、ランニングのためにふくらはぎを積極的に鍛えることには、どちらかというと消極的でした。 むしろ、「ふくらはぎは細いほうがいい」と考えていたのです。理由は単純です。 ランニングでは、身体の末端にあるものほど、動かすたびに余計なエネ...
筋力・身体能力

「筋肉が減った」では説明がつかない —— 50代からの身体で起きている「筋肉の中身」の変化

40代、50代、60代と年齢を重ねながらトレーニングを続けていると、ふと数字と身体感覚の間に「ズレ」を感じることがあります。体重はそれほど変わっていない。体組成計で測った筋肉量も、大きく減っているわけではない。それでも、「以前ほど一気に力を...
身体・コンディショニング

高身長は有利?市民アスリートが見落としがちな「大きな身体の運用コスト」と「完成度」

📌 この記事の要点(忙しい方はここだけ読めばOK!)「高身長(大きな身体)」はスポーツにおいて大きな武器になりますが、同時に「エネルギーの消費量(運用コスト)が構造的に大きくなる」という隠れたデメリットが存在します。いくら排気量の大きいエン...
トレーニング理論

疲労はフィットネスよりも速く蓄積する──漸進性過負荷を再考する「プラトー適応モデル」

トレーニングを続けていると、もっと強くなるためには、毎週少しずつ練習量や強度を増やさなければならないと考えがちです。実際、トレーニング理論では、身体に十分な刺激を与え、それに適応させる「漸進性過負荷」が重要な原則とされています。しかし、ここ...
加齢・マスターズ

20歳の80%が、75歳では60%に?――加齢で低下する「筋肉の酸素を使う力」

「年齢とともにスタミナが落ちてきた」持久系スポーツを長年続けているアスリートであれば、誰もが一度は直面する現実です。かつてと同じトレーニングを積んでいるはずなのに、タイムが伸び悩む。あるいは、かつてのような追い込みがきかなくなる。こうした変...
YouTube日本語

インターバルは何分やればいい?費用対効果が最大になる時間を考察

HIIT(高強度インターバルトレーニング)は、短い運動時間で高い心肺機能の改善効果が得られるトレーニングとして広く知られています。しかし、短時間で済むことと、短い時間ほど効率がよいことは同じではありません。運動時間を延ばせば効果はさらに増え...
筋力・身体能力

限界まで連続してやる必要はない──筋トレの反復を“小分け”にするクラスターセット

「10回やるなら、10回続けてやる」筋トレをしていると、1セットを始めたら、決めた回数まで続ける。最後の数回が苦しくなってきても、そこで止めずに続ける。そして、限界に近づいたところでようやくセットを終える。それが「セット」というものだと思っ...
トレーニング理論

閾値トレーニングはVO₂maxトレーニングより回復しやすい?

持久系競技において、トレーニング強度の設定と疲労管理は常に中心的な課題です。特に「閾値トレーニング(Threshold Training)」は、高強度インターバルトレーニング(VO₂max Training)と比較して「身体への負担が小さく...